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黄斑変性:リスクを減らすための10の方法

視野の中心にかすみ目があるか、視力がない

現在、加齢黄斑変性 (AMD)に対する治療法はまだ見つかっていませんが、発症リスクを低減し、加齢黄斑変性を原因とする失明のリスクを抑える方法は数多く存在します。

家族に加齢黄斑変性を発症した人がいる場合は、特に予防にしっかりと取り組む必要があります。なぜなら、AMDは遺伝性のリスクがあることがわかっているからです。

加齢黄斑変性は、高齢者における回復不可能な失明の第一の原因となっています。加齢黄斑変性を発症すると、視野の中心部から徐々に視力が失われていきます。黄斑変性を発症すると、時間の経過とともに文字を読むことが困難になり、パソコンや携帯電話を使用したり、車を運転したり、人の顔を認識することも難しくなっていきます。

黄斑変性を防止するための10のステップ

ここでは、黄斑変性の予防や進行の抑制に役立つ10のステップをご紹介します。

1.  喫煙をしないこと。

AMD予防策のナンバーワンは、タバコをやめることです。最初からタバコを吸わなければもっと良いでしょう。

喫煙と加齢黄斑変性の関連性について調べた17件の研究論文を精査した英国の研究者によると、そのうちの13件の研究において、現在喫煙している人は、喫煙していない人と比較して、加齢黄斑変性発症のリスクが2倍から3倍高くなるという結果が示されているといいます。

また、米国で双子を対象として行われた研究では、現在喫煙している人は、喫煙していない双子のきょうだいとの比較で、1.9倍のAMD発症リスクがあり、過去に喫煙していた人でも1.7倍のリスクがあるということが示されています。

2.  緑色の濃い葉物野菜を多く食べること。

ある研究では、調査対象者のうち、ルテインやゼアキサンチンを多く含有する、緑色の濃い葉物野菜(ケール、生のほうれん草、アブラナ科の野菜など)の摂取量が最も多かったグループの人々は、こうした健康的な野菜の摂取量が最も少なかったグループの人々と比較して、加齢黄斑変性の発症リスクが43%低かった、という結果が示されています。

3.  総合ビタミン剤を毎日摂取すること。

健康的でバランスのとれた食事がとれないという人は、食事だけでは必要な栄養素を体に取り入れることは難しくなります。

一部の栄養補助食品には、黄斑変性の進行を止めたり、発症を防ぐ効果があることが認められています。

現在のところ、黄斑変性のリスクを持つ人に対して、栄養サプリメントがその発症を防止する効果があることを明確に示したエビデンスは存在しません。 

しかしながら、ビタミンCやビタミンE、ベータカロチン、亜鉛、銅、ルテイン、ゼアキサンチンなどを含有する総合ビタミン剤によって、初期の加齢黄斑変性の進行リスクを抑え、失明につながる重症化を抑制することができる可能性があることを示した研究もいくつか存在しています。

こうした栄養サプリメントが、目の健康そのものを維持する上で効果的であるという可能性もあります。

加齢黄斑変性の発症リスクが高い人や、たとえそうでなくても目の健康を保ち良い視力をキープするためにはどんな努力でも惜しまない、という人は、どの栄養サプリメントが自分のニーズに最も適合しているか、眼科医に相談してみてください。

4.  魚をより多く食べること。

魚を食べることが黄斑変性の予防に効果があるということが、複数の研究によって示されています。

いくつかの研究によって、魚を定期的に摂取することで黄斑変性の発症を防ぐ効果があることが認められています。

先にご紹介した双子の研究では、1週間に2回以上魚料理を食べた人は、週に1回未満の人と比べて、加齢黄斑変性発症のリスクが大幅に低かったという結果が示されています。

また、オーストラリアの研究者は、 調査対象者のうち、1週間に1回以上魚を食べた人は、魚を食べた頻度が1カ月間に1回未満または一度も魚を食べなかった人と比べて、加齢黄斑変性の初期症状が発生する可能性が40%低かったという研究結果を発表しています。

5.  アクティブなライフスタイルを維持すること。

15年間にわたって行われたある長期的な研究によると、体重やコレステロール値、年齢などの他のリスク要因を考慮すると、アクティブなライフスタイルを送っている人は、座っている時間の長いライフスタイルの人と比べて、加齢黄斑変性の発症率が70%低いという結果が示されています。

「アクティブ」なライフスタイルを送るには、1日3キロ以上のウォーキングを週に3回以上行うこと、あるいはこれと同等の活動を行うことが条件となります。

6.  フルーツやナッツを毎日食べること。

ハーバード大学医学大学院が行った研究では、調査対象者のうち、フルーツを毎日3回以上食べた人は、"ウェット型"(滲出型)または重度の加齢黄斑変性のリスクを大幅に下げることが示されています。

別の研究では、ナッツを食べることで、初期または中等度の加齢黄斑変性の重症化の進行を抑えることができるということが示されています。

7.  精製炭水化物をカットすること。

精製炭水化物の多い食事(砂糖の入った飲料水、白いパン、ベイクドポテト、ドーナッツ、スナック菓子など)は、加齢黄斑変性のリスクとの関係性が指摘されています。これらの食品のかわりに、フルーツやナッツ、野菜、水を摂取するようにしましょう。

8.  血圧やコレステロール値のモニタリングを行うこと。

いくつかの研究では、血中コレステロールレベルをコントロールすることで、黄斑変性のリスクを低減することができる可能性があることが示されています。コレステロールは脂肪性の物質で、血管内に蓄積して、眼球組織を健康な状態に保つために必要となる血流を阻害するおそれがあります。

また、血圧管理も黄斑変性の予防において重要になる可能性があります。大規模な研究によって、高血圧と、失明につながるような重度の「ウェット型」の黄斑変性との間に強い関連性があることが明らかになっています。

9.  紫外線やブルーライトから眼球を保護するためにサングラスを着用すること。

現在のところ、直射日光が黄斑変性の直接的な原因になるということを示す決定的なエビデンスはまだ存在していませんが、いくつかの研究によって、加齢黄斑変性と、紫外線や高エネルギーの"ブルー"ライトへの長期間にわたる暴露の蓄積との間には、少なくとも何らかの関連性があるということは示唆されています。

安全を重視するならば、晴れた日に屋外に出る時にサングラスを着用すると、太陽からの紫外線を100%ブロックし、可視光線であるブルーライトの相当量をブロックすることができます。

10.  定期的な目の検査を受けること。

眼科医で総合的な目の検査を受ければ、自覚症状がなくても、初期の視覚障害や目の健康に関する問題を検出することができます。最も治療効果が高い段階で、問題を発見することが可能になるのです。

視力は大切です。運を天に任せるようなことはやめましょう。年に1回は目の検査を受けるようにしましょう。 目の健康を保ち、良い視力をキープすることは、あなた自身のためでもあり、またあなたの家族のためでもあるのです。

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